高品質な監査調書は、開示書類が頭に入っていると作れる
質のいい監査調書は、数字の正確性だけでなく注記情報や開示科目も検討されています。
そのような調書を作成するには、開示になにが求められているかを理解する必要があります。
なぜチェックリストが有用か
監査するまでに開示書類を作成したことがあればいいですが、
そもそも見たこともないという人が多いと思います。
そこで、開示書類にはなにが書かれていて、
条文ではなにが求められているのかを頭に入れておきましょう。
でも、条文だけ見ても頭に入ってこないと思います。
また、開示書類を漫然と眺めていても開示の過不足はわかりません。
そこで、チェックリストを使いながら開示書類を見るといいと思います。
チェックリストは、大手だと独自のチェックリストがあると思います。
もしなければ、会計士協会が公表しているチェックリストを使用しましょう。
チェックリストには担当しているクライアントには不要な条文も多く記載されています。
しかし、そのような条文に目を通しておくことで、いざ開示が必要になったときに役立ちます。
別のクライアントを担当することになったり、
主担当のクライアントで環境の変化により開示が必要になることもあります。
例えば、ストックオプション制度を新たに始めると一気に注記情報が増えます。
また、経理の状況以外にも開示が必要な内容が増えるため新たにストックオプション制度を開始したときには注意が必要です。
もちろん条文をすべて覚えることは難しいですが、頭の片隅にあることが大事です。
新規で取引を開始したときになにか開示が必要になるということだけでもクライアントに即座に伝えることができることが大事です。
確認するなら一人で実施すべき
開示書類の確認は、すべて一人で確認することが重要です。
一人ですべてチェックリスト及び開示書類に目を通すと、調書作成能力がアップします。
例えば、参考にした情報に注記情報が集約されていないことにも気づくでしょう。
それが自分の調書であれば、加筆する事もできます。
注記情報は別途検討すると思いますが、その基礎情報は科目調書でまとめておくことが理想です。
また、注記調書も記載内容の正確性だけではなく、記載項目の網羅性検討も必要です。
そのような気付きを得ることで、次回以降の調書作成に役に立てる事ができます。
これは、レビュアーから指摘されただけではなかなか身につきません。
開示書類を頭に入れておくことで、質の高い調書を作成する事ができます。
まとめ
質のいい監査調書を作れるひとは上司の評価が高いです。
また、気づき事項も多いためクライアントからの信頼も勝ち取れます。
そのためにまずは、開示書類を頭に入れましょう。
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